今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望
NIPTの将来展望
NIPTで性染色体数的異常は検出できるか?
三浦 清徳
1
,
三浦 生子
1
,
増﨑 英明
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.253-257
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209604
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●現時点では,国内におけるNIPTの対象疾患は13トリソミー,18トリソミーおよび21トリソミーであり,性染色体数的異常は含まれていない.
●NIPTにより胎児の性染色体数的異常の検出が可能であるが,その陽性適中率は13トリソミー,18トリソミーおよび21トリソミーのそれと比較して劣る.
●性染色体数的異常に関するNIPT偽陽性の原因として「vanishing twin,confined placental mosaicism,母体の性染色体異常あるいは男性からの移植歴(骨髄や臓器)」などが,偽陰性の原因として「胎児に限局した性染色体モザイク」が報告されている.
●性染色体数的異常に関するNIPTは非確定的検査であり,その最終診断には羊水検査などの確定的検査が必要とされる.したがって,妊婦とパートナーが検査の意義を十分に理解するため,検査前後の遺伝カウンセリングは必須である.
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