FOCUS
加齢とともに増加する性染色体欠失細胞
土屋 純一
1
,
佐野 宗一
2
1株式会社TL Genomics
2国立循環器病研究センター心血管モザイク研究室
pp.576-577
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209340
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はじめに
人間の性染色体にはX染色体とY染色体があり,女性はX染色体を2本持ち,男性はX染色体とY染色体を1本ずつ持つ.近年の研究により,男性の血液細胞の一部では,Y染色体が後天的に完全に喪失することが知られており,これを“後天的Y染色体喪失(mosaic loss of Y chromosome:mLOY)”と呼ぶ.これまでの研究では,血液のmLOYは加齢と相関し,70歳以上の男性の約半数が,一定以上のmLOYを持つことが明らかになっている1).
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