連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
進行外陰がんに対する内陰部動脈からの術前動注化学療法は有用か?
水野 公雄
1
1名古屋第一赤十字病院産婦人科
pp.164-169
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209587
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はじめに
外陰がんの治療は手術療法が基本であり,手術が困難な場合には化学療法や放射線治療が選択されるが,確定した治療方法がないのが現状である.局所のがん病変が広汎で外尿道口や肛門への浸潤が存在する場合には,腫瘍を抗がん剤投与により縮小させたのちに手術し,尿道や肛門の合併切除を回避して患者の排泄機能の温存を図ることも考慮される.今回,局所への抗がん剤の効果を高める目的で外陰の支配動脈である内陰部動脈からの動注化学療法後手術を試みた症例のうち,著効を示した症例の具体的治療内容を提示するとともに,同治療を行った他症例の結果を検討し,外陰がんに対する動注化学療法の有用性について考察した.
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