今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために
配偶子保存の必要性と課題
配偶子凍結に伴う倫理的問題
中塚 幹也
1,2,3,4
1岡山大学大学院保健学研究科
2岡山大学病院産婦人科
3岡山大学生殖補助医療技術教育研究センター
4岡山県不妊専門相談センター
pp.424-428
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209394
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●日本生殖医学会は,医学的,および社会的適応による卵子凍結保存を条件付きで認めているが,日本産科婦人科学会は,社会的適応による卵子凍結保存は推奨しないとしている.
●凍結配偶子による死後生殖を認める国もあるが,日本生殖医学会は「精子保存は本人の生存期間」,日本産科婦人科学会は「本人の死亡により廃棄」とし,認めない立場である.
●米国や欧州の生殖医学会は,性的マイノリティ当事者の医学的・社会的適応の配偶子凍結を,その使用を含めて認めているが,日本における議論は十分でない.
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