今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識
生殖医療にかかわる法的問題
配偶子提供(性同一性障害を含む)
水澤 友利
1
,
久慈 直昭
2
1英ウィメンズクリニック
2東京医科大学産婦人科教室
pp.1157-1164
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209209
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●配偶子提供を利用した生殖医療は同性愛者や性同一性障害者を含めたさまざまな多様化する家族の在り方に適応しているが,それを利用した親,その治療で生まれた人,配偶子提供者という複雑な関係性を生じ,既存の親子を定義する法律では家族の親子関係を保証するには法律的に不十分である.
●配偶子提供で生まれた人は配偶子提供者の匿名性や治療について親から告知されないことより出自を知る権利が損害され,それが問題提起されて20年近く経つが未解決のままである.
●将来,日本においてこうした問題を改善するためには,新しい親子の定義と,配偶子提供で生まれた人の出自を知る権利を法律で保障することが必要と考える.
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