症例
治療介入のタイミングに苦慮した子宮内─卵管間質部同時妊娠の1例
小作 大賢
1
,
伊藤 雅之
1
,
宮本 瞬輔
1
,
山﨑 亮
1
,
多賀 紗也香
1
,
村上 法子
1
,
津戸 寿幸
1
,
亀谷 英輝
1
1大阪府済生会吹田病院産婦人科
pp.397-401
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209291
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▶要約
子宮内外同時妊娠は生殖補助医療の普及とともに近年増加傾向にあるが,自然排卵周期では約0.003%と非常に稀である.今回,自然排卵周期で妊娠成立後,異所性妊娠が強く疑われたが,子宮内にも胎囊を認めたため治療介入のタイミングに苦慮した子宮内─卵管間質部同時妊娠の1例を経験したので報告する.
症例は39歳,未妊,クラミジア感染の既往あり.前医で妊娠7週1日に左卵管に胎囊を認め,当科へ紹介となった.経腟超音波検査で左付属器領域および子宮内に胎囊様エコーフリースペース(EFS)を認め,子宮内外同時妊娠を疑った.入院後の血清β-hCG増加は緩徐で,超音波所見も変化ないため,子宮内の正常妊娠経過の可能性はないと判断し,骨盤MRIを撮影した.左卵管間質部および子宮内に胎囊様腫瘤を確認し,同日腹腔鏡下手術を施行した.鏡視下に子宮内掻爬を施行し,膨隆した左卵管間質部から絨毛組織を除去し縫合した.病理組織学的検査で子宮内,左卵管間質部ともに絨毛組織を認めた.
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