合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール
母子感染症
HCV
深澤 一雄
1
,
稲葉 憲之
1
1獨協医科大学産婦人科
pp.101-105
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209236
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●HCVはHBVに比べ感染力は弱いが,遅発性ウイルス感染症としてC型肝炎は肝硬変,肝がんへの移行率が高く,肝がん死亡者の約70%はHCV由来とされている.
●HCV抗体は一般的な意味での感染防御抗体(中和抗体)としての働きを期待することができず,HCV抗体陽性であることはHCVに感染したことを意味する.HBVと異なり,どの時期に感染しても新生児から成人まで幅広くキャリア化する可能性がある.
●現在HCV母子感染を予防する有効な手段はない.しかし妊婦スクリーニング検査(HCV抗体,HCV-RNA定量)を行うことが,HCV母子感染対策の端緒であることを認識しなければならない.
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