今月の主題 HCV
話題
HCVとその変異
赤羽 賢浩
1
Yoshihiro AKAHANE
1
1山梨医科大学第1内科
キーワード:
HCVの変異
,
超可変領域
,
HVR
,
IFN治療
Keyword:
HCVの変異
,
超可変領域
,
HVR
,
IFN治療
pp.1132-1133
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901709
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1.はじめに
HCVは変異をきたしやすいウイルスで,その遺伝子配列はきわめて多様性に富んでいる.現在までに分離され,その遺伝子の塩基配列が明らかにされているHCV株は,配列の相同性から4~6種の遺伝子型ゲノタイプにグループ分けされている.HCV遺伝子は全長約9.5kbの一本鎖のRNAであるが,HCV遺伝子内の変異は,遺伝子内に均等に起こるわけではなく,エンベロープ領域(E,E2/NS 1領域)の遺伝子変異は,5’-UTRやコア領域のそれに比し,はるかに高率である.なかでもE2/NS 1領域のN末端25~30アミノ酸残基からなる超可変領域(hyper-variable region; HVR)は特に変異が多く,同一のゲノタイプを示すHCV株間のみならず,同一個体から分離される複数のHCV株の間でさえ多様性が認められる.
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