今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識
おさえておきたい法律・訴訟の基礎知識
薬剤の規定外使用と法─産婦人科領域での使用例を含めて
加藤 愼
1
,
水上 裕嗣
1
1加藤法律事務所
pp.1186-1192
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209213
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●薬剤の「規定外使用」は,添付文書上の禁忌患者への投与,用法・用量違反,適応外使用等が典型的な類型として挙げられ,医師の裁量権の行使との関係が問題となる.
●平成8年最高裁判決は,医師が添付文書記載の使用上の注意事項に従わないことについて,「特段の合理的理由」が主張立証できない限り,医師の過失が推定されることを示した.
●平成8年最高裁判決は,その後の下級審裁判例において,禁忌患者への薬剤投与や用量違反が問題となった事例で援用される一方,適応外使用が問題となる事例では適用されておらず,その違いには意味があるものと考えられる.
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