今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える
ES細胞・iPS細胞の臨床応用
重症虚血性心筋症に対する細胞シート治療
澤 芳樹
1
1大阪大学医学系研究科外科学講座心臓血管外科学
pp.417-423
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209071
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●近年,心筋症による重症心不全に対し心臓移植や人工心臓などの置換型治療が積極的に行われてきたが,ドナー不足や合併症など課題が多いことから,最近では心機能回復戦略として,再生型治療の研究が盛んに行われ,自己細胞による臨床応用が開始されている.
●われわれは,温度感応性培養皿を用いた細胞シート工学の技術により,細胞間接合を保持した細胞シート作製技術を開発し,従来法であるneedle injection法と比較して,組織,心機能改善効果が高い心筋再生治療の臨床研究を開始した.
●iPS細胞を用いた心血管再生治療も期待され,今後,心臓移植や人工心臓治療とともに再生治療を取り入れた重症心不全治療体系が確立されると思われる.
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