今月の表紙
いわゆる“虚血性心筋症”
田中 道雄
1
,
常深 あきさ
1
,
梅田 茂明
1
,
北條 林太郎
2
,
石川 妙
2
,
手島 保
2
1東京都立広尾病院検査科
2東京都立広尾病院循環器科
pp.1160
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103389
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【症例の概要】
76歳,男性.高脂血症,糖尿病性腎症の既往.2年前に心不全あり,他院で拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy,DCM)として治療.当院でカテーテル検査を施行し,3枝狭窄(100%狭窄)が認められ,いわゆる“虚血性心筋症”と診断.慢性心房細動・心室頻拍あり,ペースメーカーを植え込む.死亡2か月前に心胸比65%.心エコーで心内腔拡大,駆出率(ejection fraction,EF)30%.MRSA肺炎・敗血症を合併し,心不全悪化・急性腎不全をきたし,三尖弁の感染性心内膜炎を併発し死亡.剖検で左室主体の房室拡張と冠動脈硬化症(3枝とも95%以上狭窄)を確認.左室全周性に心内膜下小型瘢痕が多発し,後壁中部や前壁下部にほぼ貫壁性の小型陳旧性梗塞を認めた.
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