今月の臨床 卵管は脇役か?─その生理と病態
卵管の病理
卵管炎─診断と治療
野口 靖之
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.817-821
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208854
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●クラミジアや淋菌による卵管炎は,放置すると不妊症や異所性妊娠の原因になる.自覚症状がわずかであっても積極的に検査し,速やかに治療を行う.また,パートナーに必ず検査を勧める.
●卵管炎や骨盤内炎症疾患を疑う症例は,経腟超音波検査などの画像診断を併用し,卵管水腫や卵管留膿腫の有無を確認する.
●治療は,原因菌に応じて適切な抗菌薬を選択し行う.黄色ブドウ球菌,大腸菌は,耐性菌が存在するため,難治例は薬剤感受性試験の結果に基づき抗菌薬を変更する.また,淋菌性卵管炎の治療は,経口薬でなく,セフトリアキソン(注射剤)を第一選択とする.
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