今月の臨床 不妊女性に対する手術療法─適応・タイミングと手技のコツ
卵管障害に対する卵管鏡
塩谷 雅英
1
,
苔口 昭次
1
1英ウィメンズクリニック
pp.172-178
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208611
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●卵管因子に対する卵管鏡下卵管形成手術(FT)は自然妊娠を望む患者に対する治療手段としてその意義が認められている.術後の待機期間は,累積妊娠率が80%を越える6か月前後が適当であろう.
●手術手技のコツは,確実に卵管内にバルーンを挿入することであり,そのためには手術時間の大半は卵管口を卵管鏡の視野に捉えることに費やす心積もりで手術に臨むとよい.
●卵管閉塞の前病変として捉えられる卵管狭窄は,FTの適応となりうるが,その診断は容易ではない.HSG中の造影剤注入圧の上昇,および子宮鏡による卵管子宮腔の異常所見の把握が重要である.
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