今月の臨床 卵管は脇役か?─その生理と病態
卵管の病理
卵管瘤水腫─不妊症での取り扱い
田島 博人
1
,
浅田 弘法
1
1新百合ヶ丘総合病院産婦人科/リプロダクションセンター
pp.823-828
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208855
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●卵管瘤水腫はその重症度で大きく治療方針が異なり,軽症例では腹腔鏡下卵管采形成術や開口術,癒着剝離術によって自然妊娠が十分見込める一方,重症例では術後妊娠成績は厳しい報告が多い.
●卵管瘤水腫に対する術式は,重症度に加え患者年齢や背景,卵巣予備能などを総合的かつ慎重に判断し,安易な切除や逆に不利益となる温存を回避するため,術前の十分なインフォームド・コンセントが重要である.
●体外受精の際にも卵管瘤水腫の存在は,着床へ悪影響を及ぼすことが数多く報告されており,胚移植前に外科的処置によって卵管貯留液の子宮内流入を防ぐことが妊娠成績の向上につながる.
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