特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅴ.卵管の手術
卵管炎への対処
杉山 陽一
1
Youichi Sugiyama
1
1三重大学医学部産科婦人科学教室
pp.887-889
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205944
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卵管は女性性器のなかで最も炎症をおこしやすい臓器である。卵管炎には子宮内膜掻爬,流産手術,IUDの挿入,抜去などの子宮内操作後,あるいは分娩後にみられる上行性感染によるものと,結核性腹膜炎や急性虫垂炎などに併発する下行性感染によるものとがある。この両者は同じ卵管炎でも当然のことながらその臨床病像はかなり異なっている。
下行性感染によるもののなかでも特に結核性のものは慢性に経過し,自覚症状および他覚所見も少なく,同時に両側性に侵されることが多く,したがって気付かぬうちに罹患していることも多く,結婚後に不妊などの訴えで来院して発見されることが多い。
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