増刊号 ─知りたい最新情報がすぐわかる!─不妊・不育症診療パーフェクトガイド
4.一般不妊治療:手術療法
不妊を主訴とする子宮筋腫・腺筋症に対する治療方針
谷口 佳代
1
,
泉谷 知明
1
,
前田 長正
1
1高知大学産科婦人科
pp.165-169
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208700
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Point
◉子宮内腔の変形を伴う粘膜下筋腫と筋層内筋腫は,妊孕能低下の原因となる.一方で,子宮内腔の変形を伴わない筋層内筋腫や漿膜下筋腫は,妊孕能に影響する可能性が低いと考えられる.しかし,妊娠時には産科合併症のリスクを増加させるため,筋腫の位置や大きさによっては筋腫の治療を優先することを検討する.
◉治療方法は主に手術療法であり,筋腫核出術や腺筋症核出術が行われる.術後に妊娠した際には子宮破裂や癒着胎盤に注意が必要である.
◉筋腫および腺筋症の手術後には避妊期間を設ける必要性があるため,高年齢の患者では,術後避妊期間中の経年的な妊孕能低下の可能性についてもインフォームド・コンセントを行い,治療方針を検討する必要がある.
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