特集 産科DIC
Overview
産科DICをめぐって
真木 正博
1
Masahiro Maki
1
1秋田大学医学部産科婦人科学教室
pp.703-709
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207835
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ある種の産科疾患,例えば,常位胎盤早期剥離(以下,早剥と略す),羊水塞栓,重症妊娠中声症,とくに子癇の場合,死児稽留症候群,HELLP症候群(he-molysis,elevated liver enzymes and low platelet syn-drome),妊娠性急性脂肪肝,重症感染症,アシドーシスを伴うような重症ショックなどにおいて,血液凝固系や血小板系が活性化され,多数の播種性の微小血栓を形成することがある。その結果,諸臓器には循環障害による機能障害(腎不全,呼吸障害,肝障害,シーハン症候群など)や消費性凝固障害による出血傾向などがみられるようになる。このような状態を血管内凝固症候群(DIC)という(図1)。
DICは妊産婦死亡とも密接に関係している。したがって,産科医にとって,DICに関する知識は不可欠のものである。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.