特集 救急手技のポイント
Ⅱ.産科・婦人科
産科領域におけるDIC
松本 隆史
1
1国立津病院,産婦人科
pp.334-337
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
播種性血管内血液凝固症候群(disseminated intravas—cular coagulation;DIC)は,全身の微小循環系に血栓を形成する症候群である。様々の原因により凝固系の亢進が惹起され血栓が形成される。これに血栓を溶解する線溶現象が加わり凝固因子が消費され,出血傾向が出現する。DICは必ず基礎疾患を背景にして発症する特徴があり,産科疾患においても例外ではない(表1)。妊産婦死亡の中にはDICに関連した疾患が原因となっている場合も多い。本稿では産科の立場からDICの診断と治療について述べる。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.