今月の臨床 妊娠と血液
7.産科の急性DIC—産科DICは本当に急性か?
水上 尚典
1
,
佐藤 郁夫
1
1自治医科大学産婦人科
pp.578-582
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902116
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DICは症候群であり,原因・病態はさまざまである.産科に認められるDICは内科で悪性腫瘍時に認められるDICに比し経過が短いので急性型DICと考えられている.“産科の急性DIC”という言葉には妊婦は突然DICになってしまうというひびきがある.産科には前置胎盤,帝王切開分娩時,子宮頸管裂傷,弛緩出血,子宮破裂など大出血の原因となる合併症が多い.出血性ショックは確かにDICを引き起こすので産科では出血性ショック誘発DICは他科に比し多い.しかしこのDICは老若男女の区別なく起こるので産科固有のDICではない.本稿では産科固有のDICが果たして本当に急性なのか否かについて検証してみたい.
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