特集 治療最新のトピックス
感染
感染性ショックの治療
寺尾 俊彦
1
Toshihiko Terao
1
1浜松医科大学産婦人科教室
pp.1228-1229
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208155
- 有料閲覧
- 文献概要
Ⅰ.産科感染性ショックの特徴
敗血症性流産や産褥熱など妊娠,分娩,産褥を背景として発生する感染性ショックは,産科個有の治療を要すること,循環動態,血液凝固系,腎機能など全身の機能が妊娠によって修飾を受けていること,などによりショック治療をより一層困難にし,またMOF (multiple organ failure)を合併し易いので重篤な経過をたどることが多い。しかし一方,子宮など感染巣の手術的除去が容易なことから,タイミングを失することなく治療すれば一挙に改善することも多い。
感染性ショックの治療は集中治療に加えて集学的治療を必要とする。最先端の高次医療によって近年治癒率が向上しているので,できるだけ早期に高次医療機関へ転送すべきである。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.