今月の臨床 妊婦の感染症
妊婦の感染と早産
大槻 克文
1
,
松浦 玲
1
,
杉山 将樹
1
,
八鍬 恭子
1
,
長谷川 潤一
1
,
松岡 隆
1
,
市塚 清健
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学病院総合周産期母子医療センター産科部門
pp.816-823
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101789
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はじめに
妊婦の感染が早産の原因となることは古くから知られていたが,早産の多くで子宮内感染,特に絨毛膜羊膜炎の関連していることが指摘されたのは比較的最近のことである.その知見に基づき,早産予防や切迫早産管理の新しい指針の確立が急がれているが,現在のところ未だ実現していない.それは絨毛膜羊膜炎の診断と治療が一般に予想される以上に難しく,またその前段階の腟や頸管の感染などの取扱に関しても最適な方法を見つけることが困難なためである.
本稿ではこれまでの報告を基に,上記をめぐる諸問題について考察してみたい.
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