臨床研修セミナー 婦人と栄養
食生活—栄養と肥満の特殊療法
森 憲正
1
,
永井 公洋
1
Norimasa Mori
1
,
Kimihiro Nagai
1
1宮崎医科大学産科婦人科教室
pp.785-792
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208057
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ヒトは,他の動物と同じようにその成長,発育ならびに生命の維持に必要な物質を体外から持続的に供給しなければならない。この生理的営みは栄養と呼ばれている。栄養に必要な成分を栄養素と呼び,蛋白質,脂肪,炭水化物,無機質(灰分),ビタミンなどがこれに含まれている。
我々が食物として食べることのできる物質を食品というが,食品はその種類によって栄養素の種類と量が異なり,それを適当に組み合わせて調理して食物として摂取している。摂取された食物は消化され,栄養素に分解,吸収された後,身体構成成分となったり,エネルギー源となったりする。この新陳代謝を行うために絶えず適切な適当量の食物を摂取することが必要である。栄養の適否は健康を左右し,適切な栄養によって体位は向上し,長寿にまでつながる一方,不適切な栄養は特殊な疾病をもたらすことにもなり,疾病を増悪し治療を遅らせることにもなる。
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