原著
低出生体重児の出生動向に関する検討
寺尾 俊彦
1
,
稲本 裕
2
Toshihiko Terao
1
,
Hiroshi Inamoto
2
1浜松医科大学産婦人科教室
2遠州総合病院産婦人科
pp.687-693
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208040
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低出生体重児出生の動向を知るために,昭和50年から昭和62年までの13年間の低出生体重児の出生数を,静岡県下30病院に対してアンケート調査を行った。またこの結果から,病院以外の施設での低出生体重児出生率を予測し比較した。病院では,低出生体重児出生率は昭和51年から昭和54年までは約5.75%で横ばい状態であった。昭和55年以降は増加傾向にあり,昭和62年には7.11%に達した。病院以外の施設でも昭和50年の4.48%から昭和61年の5.73%までほぼ常に増加傾向にあった。今後も更に低出生体重児出生率が増加することが予想されることから,これらの児を助けるためには,病院でのNICUの充実,診療所から病院への母体搬送の啓蒙,超未熟児が生まれないような産科管理の向上が必要であると考えられる。
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