特集 GIFT
Overview
受精現象に関する基礎的問題
鈴木 秋悦
1
,
遠藤 芳広
1
,
大柴 葉子
1
,
大村 伸一郎
1
,
小松 節子
1
Shuetsu Suzuki
1
,
Yoshihiro Endo
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.125-131
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207942
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最近の10年間において,不妊症治療はIVF (in vitro fertilization)およびGIFT (gamete intrafallopian tran—sfer)の臨床応用により飛躍的に発展した。しかし,個体発生の起点である受精現象の解明にはほど遠く,多くの問題が残されている。生殖医学の今後の発展のためには,卵子および精子の生理学や受精過程の分子生物学的理解が必要とされることは明らかであろう。
受精時における精子‐卵子相互作用の解明に関する研究は活発に進められており,とくにsignal transductionという新しい概念の導入により,ようやく細胞内現象に目が向けられるようになってきている。例えば,精子先体反応や多精子受精防御機構に関する新しい理解が報告されている。
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