産婦人科医療--明日への展開 病態生理の新しい理解
Ⅱ.産科篇
受精・着床異常
鈴木 秋悦
1
,
遠藤 芳広
1
Shuetsu Suzuki
1
,
Yoshihiro Endo
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.849-851
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ヒトの種族保存のための生殖過程は非常に効率が悪いとされている。Leridon1)のlife table (表1)によると,精子に出遭い受精の機会を与えられた卵子の69%は自然淘汰されるという。受精時の喪失が16%,さらに,妊娠2週の間に大部分の胎児喪失が起こる。このように,異常卵,異常受精卵は,そのほとんどが受精・着床時に自然淘汰されているといえよう。本稿では,受精・着床異常について,われわれの知見を加味しながら,その病態をとりあげた。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.