産婦人科医療--明日への展開 生殖のコントロール--不妊治療への展望
座談会
体外受精を探る
鈴木 秋悦
1
,
館 鄰
2
,
星 和彦
3
Shuetsu Suzuki
1
,
Chikashi Tachi
2
,
Kazuhiko Hoshi
3
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
2東京大学理学部動物学科教室
3東北大学医学部産婦人科学教室
pp.60-69
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206751
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鈴木(司会)本日は,体外受精というトピックスを浮き彫りにするということで,座談会というよりは,放談会でもということでお集まりを願ったわけです。
体外受精とは,不妊症に対する治療方法であるわけですが,最近にわかに外国での報告例が多くなったこともありまして,日本でも学会として正式に,やはり取り上げる段階ではないかというようなことになったようでして,明年の仙台での日本産婦人科学会のシンポジウムの課題として,「卵の側から見た受精と着床をめぐる諸問題」というのが選ばれて,体外受精というのが学会の場で公式に議論されるようになったわけです。それとほぼ同時に慶応の飯塚先生が代表世話人になりまして,日本受精着床学会というのができまして,この秋にその第1回の学術記念講演会が行われ,来年の8月に生殖免疫に関する国際学会のときに第1回の学術講演会が神戸で開かれる予定になっています。また.体外受精についてのガイドラインといいますか,学会である程度の一つの決まりをつけなくてはということで,学会がガイドラインをつくったわけです。このようにガイドラインもでき,日本でもいよいよという時代ですが世界的にみて分娩例はオーストラリアがいちばん多くて,その次にイギリス,その次アメリカ,フランス,西ドイツというふうにぐんと数が少なくなってくるわけですが, 星先生,体外受精分娩例の多いナーストラリアに行ってこられて,オーストラリアの現状はいかがでしたか。
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