薬の臨床
免疫学的妊娠診断試薬Pregnosticon All-in Testの使用経験
谷澤 修
1
,
衣笠 隆之
1
,
小林 彌仁
1
,
正田 常雄
1
,
深田 信之
1
,
市位 光
1
,
三井 磐
1
,
松尾 健
1
Osamu Tanizawa
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.843-846
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204283
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はじめに
絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の免疫学的測定法は初めてWideら1)により1960年に開発された。この方法を妊娠反応として用いた場合過去において主として行なわれてきた生物学的妊娠反応に比較し的中率において勝るとも劣らぬ秀れた成績を示すとともに,手技が遙かに簡単であることから画期的な妊娠反応として広く臨床上に用いられるところとなつた。現在まで市販されている免疫学的妊娠反応試薬は,(1) HCG感作血球凝集阻止反応2)と,(2) Polystyrene latexにHCGを感作したスライド法3)が主なものである。
Pregnosticon All-in Testは(1)の原理にもとづくものであり,先にOrganon社より出されたPregnosticon妊娠診断試薬4)と同種のものであるが,操作の点では改良簡易化されている。今回われわれは本試薬の提供を受け鋭敏度,実施手技・臨床例における的中率などにつき検討を試み若干の知見を得たので報告する。
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