薬の臨床
子宮筋腫および子宮内膜症に対する腟式子宮全摘術施行前ブセレリン投与の有用性に関する検討
竹田 明宏
1
,
中村 浩美
1
,
藤村 秀彦
1
,
塚原 慎一郎
1
1岐阜県立多治見病院産婦人科
pp.1213-1216
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902673
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1990年9月より1995年4月までに岐阜県立多治見病院において子宮筋腫および子宮内膜症症例に対して腟式子宮全摘術を施行した329症例のうち,とくに術前ブセレリン投与を行った症例について,投与を行わなかった症例との比較を行い,その有用性を検討した.4〜12週間の術前ブセレリン投与により,子宮筋腫症例において,その体積が治療前の55.4±5.1%へと縮小すると同時に,有意に術中出血量が減少した.同様に,子宮腺筋症においても,その体積は治療前の59.5±4.3%へと縮小した.この縮小効果により当初,腟式子宮全摘術が困難と予想された超手拳大以上の症例も容易に腟式子宮全摘術が行える大きさとなることが明らかとなった.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.