特集 生殖免疫
免疫学的にみた妊婦感染の特徴
一條 元彦
1
,
斎藤 滋
1
,
斎藤 真実
1
,
辻 祥雅
1
Motohiko Ichijo
1
1奈良県立医科大学産婦人科学教室
pp.1109-1112
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207909
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妊娠中,母体は胎児という同種移植片を寛容しており,一般には細胞性免疫が低下していると考えられている。事実,妊娠時にはウイルス感染症が重症化しやすいという報告もある1)。妊娠中の母体の感染症では常に胎児への影響を考えなくてはならない。直後,胎児の感染の原因となる場合もあるが,あるいは母体の全身状態の悪化が胎児死亡,流産の引きがねとなることもある。ここでは妊娠時における免疫系の特徴について述べ,妊婦感染について考察を加える。
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