グラフ 乳房診断
Ⅰ.自己検診のコツ
榎本 耕治
1
,
阿部 令彦
1
Kohji Enomoto
1
,
Osahiko Abe
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.4-6
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207710
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乳癌の自己検診は視診と触診から成り立っている。視診でみつかる所見は進行乳癌の所見である場合が多いが,dimplingの徴候は乳癌に大切な徴候で,stage Ⅰの乳癌でもみられるので,十分気をつける必要がある。また乳頭の血性分泌は早期乳癌の発見の動機となることがあるので見逃さないようにする。
触診は腫瘍の存在診断と癌の鑑別診断があるが,自己検診は前者つまり腫瘍の発見に努めるので,それ以上のものを期待すると誤りのもとになる。自己検診で腫瘤を触れた場合は,ただちに専門医のところに行くように指導する必要がある。自己検診はいつでも出来るという気安さもあるが,反面,継続しないことが多いので,検診日を決めて定期的に行うことが肝要である。
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