Japanese
English
特集 縫合法—反省と再検討
皮膚縫合法—乳癌手術
Skin closure after radical mastectomy
榎本 耕治
1
,
阿部 令彦
1
Koji ENOMOTO
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.1089-1092
発行日 1975年9月20日
Published Date 1975/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206322
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はじめに
乳癌の診断技術の進歩に伴い,早期乳癌の症例も多くなり,乳癌の手術療法として定型的乳癌根治手術のほかにmodified radical mastectomyでも十分効果をあげ得ると考えられる症例も多くなつてきた.従来,慶大外科ではHalstedのmastectomy1)のほかにPateyのmodified radicalmastectomy2)およびVolkmann3)(Auchincloss)4)のmodified radical mastectomyも行なわれてきたが,現在,大部分を占めるのはHalstedのmastectomyを基本とし,われわれなりに多少施行し易く修飾した方法である.ここに乳癌根治手術の縫合方法がとりあげられたのは,Haagensenの提唱するthin flap methodが普及するにつれ,皮膚が術後壊死となり,治癒が遷延することが時折遭遇するためである.この皮膚の壊死はさらに術後上腕浮腫や,肩関節の拘縮,上腕の挙上障害にも影響してくるので,術後合併症の予防という観点からも十分気をつけねばならぬところである.
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