境界領域の再評価とその展開 特集
脳・内分泌腺の手術と産婦人科
精索静脈瘤の手術療法
奥山 明彦
1
,
中村 正広
1
,
並木 幹夫
1
,
竹山 政美
2
,
藤岡 秀樹
2
,
園田 孝夫
2
Akihiko Okuyama
1
,
Masayoshi Takeyama
2
1大阪大学医学部泌尿器科学教室
2健康保険組合連合会大阪中央病院泌尿器科
pp.469-472
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207621
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精索静脈瘤とは精巣上部より内鼠径輪にかけて存在する蔓状静脈叢が血行障害により異常に怒張した状態であり成人男性の2〜5%に認められる。このうちの98%が特発性精索静脈瘤とよばれる原因不明のものであり左側にみられるものが圧倒的に多い。患者自身が存在に気付かずそのまま加療することなく放置している場合もあるが,陰嚢の著しい変形をみとめるもの,下腹部から陰嚢部にかけて鈍痛や熱感を訴えるもの,男性不妊症で受診時に見いだされ精子形成障害の原因となっている症例に対しては積極的に外科的根治術が行われる。特に本症と精子形成障害との関係は大変興味深く,男性不妊症の10%〜20%は本症が原因といわれている。本症と精子形成障害との関係を中心とした病態生理,診断および治療方法,根治術後の精子形成障害回復のおのおのについて概略を述べる。
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