特集 小児科医が診る泌尿器疾患アップデート――どう診断・治療するか? 予後はどうか?
7.精索静脈瘤
兼松 明弘
1
,
田口 元博
1
,
大嶋 浩一
1
,
山本 新吾
1
1兵庫医科大学泌尿器科
pp.792-798
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003541
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精索静脈瘤は思春期後期男児の10~14%に認められるが,これは一般成人男子での発生頻度と同等である.90%は左側にみられ,ナットクラッカー現象の関与も考えられている.診断には超音波検査が重要である.思春期症例から妊孕性が問題となる成人期まで数年のタイムラグがある.介入を考慮するのは痛みを伴う場合および精巣容積が対側精巣の80%未満に萎縮した場合である.治療介入には外科的治療による内精静脈結紮とIVRによる静脈塞栓がある.治療アウトカムとしては,精巣サイズのキャッチアップが一般的だが,精液検査所見や挙児までつながる長期予後データは十分とはいえない.

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