境界領域の再評価とその展開 特集
Gynecologic Functioning Tumorとその外科的対応
多嚢胞卵巣の外科的療法をめぐる問題点
青野 敏博
1
Toshihiro Aono
1
1大阪大学医学部産婦人科教室
pp.21-24
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207518
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1935年にStein&Levenlhal1)は両側卵巣の白膜の肥厚を伴う嚢胞性の腫大が,臨床的には1)無月経または稀発月経,2)不妊,3)男性型多毛,4)肥満などの原因になることに注目し報告した。彼等は組織学的検査の目的で卵巣の楔状切除を施行したところ,約90%の症例に排卵性周期の回復を認めた。
その後内分泌学的な測定法の進歩に伴い,本症候群の婦人においては,血中LHの高値, LH/FSH比の上昇,LH-RH負荷試験に対するLHの過剰反応,血中testosteroneやandrostenedioneの上昇などの異常が認められることが判明してきた2)。
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