原著
子宮頸部腺癌の臨床病理学的検討
山崎 正人
1
,
稲垣 実
2
,
広田 義和
2
,
佐藤 安子
2
,
本郷 二郎
2
,
尾崎 公己
2
,
建石 龍平
3
Masato Yamasaki
1
,
Minoru Inagaki
2
,
Ryuhei Tateishi
3
1国立呉病院産婦人科
2大阪府立成人病センター産婦人科
3大阪府立成人病センター病理
pp.711-714
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207459
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大阪府立成人病センターで治療を受けた55例の子宮頸部腺癌の臨床病理学的検討を行った。臨床期別に分けると,Ⅰ期は36例,Ⅱ期は10例,Ⅲ期は8例,Ⅳ期は1例であった。病理組織学的に検討した43例中,34例が頸管型,3例が類内膜癌型,6例が腺様嚢胞癌であった。初期癌及びリンパ節転移陰性例の予後は良かった。臨床期別のリンパ節転移の頻度はⅠ期25例中4例(16.6%),Ⅱ期7例中4例(57.1%),Ⅲ期2例中2例(100%)であった。扁平上皮癌に比して,Ⅱ期以上でのリンパ節転移の頻度が高い。原発巣の浸潤の深さとリンパ節転移の関係をみると,0.5cm以下では6例中1例(16.7%),0.5cmから1.5cmの間では16例中1例(6.3%),1.5cm以上の浸潤では12例中8例(66.7%)に陽性例が認められた。リンパ節転移陽性例10例中,4例は死亡,3例は再発した。早期発見の重要性が示唆された。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.