原著
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)合併妊娠における免疫グロブリン大量療法について
山田 秀人
1
,
藤本 征一郎
1
,
和気 徳夫
1
,
三河 誠
1
,
佐藤 春美
1
,
藤田 博正
1
,
萩沢 正博
1
,
酒井 慶一郎
1
,
橋本 昌樹
1
,
林 宏
1
,
中島 健夫
1
,
安田 晶子
1
,
水野 哲宏
1
,
松崎 登
1
,
佐藤 広文
1
,
菅原 照夫
1
,
一戸 喜兵衛
1
Hideto Yamada
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.323-330
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207375
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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した妊婦に対し,分娩直前に血小板数の増加を目的に免疫グロブリン大量療法を応用した成績は国際的にも未だ少なく,その確実な臨床的有効性を検討するには至っていない。
今回われわれは,ITP合併妊婦3症例を対象に免疫グロブリンの大量療法(ヴェノグロブリンI ®,20g/日,5日間点滴静注)を施行し,若干の臨床的有用性を確認しえたので,これまでに報告された10症例の分娩管理の概要とともにいささかの考察を加えてその産科領域での意義について報告する。
また,3例のITP妊婦より出生した新生児の1例に典型的な新生児ITPを認め,その児に免疫グロブリンと副腎ステロイドホルモンの併用療法を施行したのでその臨床経過をも合わせて報告する。
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