今月の臨床 Obstetrics is a bloody business
分娩時出血への対応
5.DICの治療
中林 正雄
1
,
磯野 聡子
2
1総合母子保健センター愛育病院
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.678-681
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904352
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産科DICの概念
DICとは,何らかの原因によって血液の凝固性が異常に亢進して,主に微小循環系の血管内で血液が凝固し,微小血栓が多発することによって引き起こされる症候群をいう.臨床症状としては,微小血栓多発のため,消費性凝固障害と線溶亢進による出血症状,および諸臓器の循環障害による臓器症状を呈する.
妊娠時にはほとんどの血液凝固因子は増加し,血液は凝固亢進状態を呈するようになる.産科DICの特徴は,大出血に併発または続発することが多く,胎盤や羊水などの外因系組織トロンボプラスチンが血管内に流入して発生することがあるために,急性経過をとることが多い点である.産科DICの特徴を表11)に示す.
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