先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
重症合併症妊娠
糖尿病性網膜症をもつ妊婦の管理—眼科医からの妊娠・分娩へのアドバイス
福田 雅俊
1
Masatoshi Fukuda
1
1琉球大学医学部眼科学教室
pp.274-275
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207363
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糖尿病患階は妊娠すること自体が危険なこと,よくないことといわれた時代が長く,主治医に内緒であちこちの産婦人科を廻ったり,妊娠・流産を反復した若い女子糖尿病患者が多かった。しかし近年この方面の研究も著しく進み,十分なコントロールが行われている患者では妊娠は決して危険なものではなく,懸念されている新生児の異常も減少することが知られてきた。ところが糖尿病の合併症である網膜症をもつものは,妊娠によって進行悪化することが多く,失明の危険率が高いことは依然として事実として残っており,若い女性糖尿病患者とりわけIDDMの女性を悩ましている。筆者もこれに関して早くから注目,発表1)しており,近年では束京女子医大の大森教授と共に,特定の注意を払えば網膜症を持つ糖尿病女性も,妊娠・分娩が十分可能であることを強調してきた2)。本稿では,その要点を抜粋して産婦人科専門医にお伝えしたい。
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