先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
重症合併症妊娠
甲状腺機能亢進症と妊娠中毒症
藤本 征一郎
1
,
服部 哲夫
1
,
出店 正隆
1
Seiichiro Fujimoto
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.277-281
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207364
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甲状腺機能亢進症Hyperthyroidismはその発症において性差があり,女性ことに性成熱期の婦人に発症頻度が高い。したがって,child-bearing ageに相当することと臨床症状ことに自覚症状の発現が発症時には軽微なために患者がその発症に気がつかないままに妊娠することも多い。
1940年代より,コントロールの不十分な甲状腺機能亢進症合併妊娠では,甲状腺クリーゼ,流・早産,低体重児出生,妊娠中毒症,胎児・新生児死亡が招来されやすいといわれ1,2,3),産科領域でも注目されてきた。
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