原著
HMG-HCG投与時の副作用発現因子に関する考察—家兎による実験的検討
淵 利雄
1
,
石丸 忠之
1
,
黄 宏駿
1
,
増崎 英明
1
,
鮫島 哲郎
1
,
藤下 晃
1
,
山辺 徹
1
Toshio Fuchi
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.895-900
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207285
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HMG-HCG療法時の副作用(OHSSおよび多発排卵)発現因子を検討するため,ニュージーランド産白色雌家兎を用いて,①両側卵巣摘出家兎にPergonal (75IU/日)を連日5日間投与し,翌日HCG 1,000IUを投与した卵巣摘出群と,同様な処置を卵巣非摘出家兎に行った卵巣保有群の腹水量を測定,②Pergonal (75IU/日)を連日5日間投与し,翌日HCG 1,000IUを投与したHCG投与群と,HMGのみを投与したHCG非投与群について卵巣重量を測定,③FSH/LH比が異なるHMG製剤(Pergonal,HumegonおよひHMG「日研」)をそれぞれ1日10IUを連日5日間および翌日HCG1,000IUを投与し,腹水量,血中histamine濃度,卵巣重量,発育卵胞数および出血卵胞数を比較検討した。以上の結果より,①OHSSにおける腹水貯留には卵巣の存在が必要であること,②HCGはOHSS発生に関与すること,③OHSSおよび多発排卵などの副作用とFSH/LH比の関係では,高FSH/LH比製剤(HMG「日研」)の方により多く発生することが示唆された。
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