グラフ 胎児の機能診断
呼吸様運動と胎児機能
池ノ上 克
1
,
松田 和洋
1
Tsuyomu Ikenoue
1
,
Kazuhiro Matsuda
1
1鹿児島市立病院周産期医療センター
pp.838-841
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207273
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超音波診断法の発達により,ヒト胎児呼吸様運動(fdtal breathing movement:以下FBM)検出が容易となり,胎児の状態評価の有力な手段となりつつある。現在,FBMの検出には主として超音波B-scanが用いられ1)(図1,2)多くのdataが報告されている。FBMは妊娠10週頃より検出され,妊娠30週以降になるとその数は減少するか,規則性が出現してくる。38週頃からは周期性も明確になる。妊娠30週以降のFBM出現率は1日のうちの約30%(17〜65%)を占め,そのピークは食後2〜3時間と午前1時〜7時にあり,午後10時〜午前1時の間が最も出現率が低い。食後のFBMの増加は母体の血糖値と関連があり(図3),母体の摂食またはglucose投与により有意に増加する。一方,深夜におけるFBMの増加は母体血中cortisolの変化と同期する(図4)。
羊胎児のFBMに影響を与える因子として報告されているものを表1にあげる2)。ヒトでは,controversialな部分が多いものの,表2のような報告がある2,3)。
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