ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 体外受精
体験を語る
採卵時期決定に血中LH測定法を開発
山野 修司
1
Shuji Yamano
1
1徳島大学医学部産科婦人科学教室
pp.811
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207267
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体外受精・胚移植の臨床応用の開始までの苦労話を語ってみたいと思う。
基礎実験をほぼ終え,実際にIVF・ETを不妊治療に応用することを決めた日以来,各スタッフは自分に振り当てられた技術を習得すべくそれぞれ苦心惨憺していた。特に超音波のスタッフは,実験台に自身の奥方を選び,奥方の下腹部にプローベをあて卵胞を描出する修練にいそしんだのである。当時,当科にはセクタスキャンはなくリニアスキャンを使っての卵胞計測であったため,スタッフの苦労は大変なものだったが,それにも増して,来る日も来る日も,多量の水を飲まされプローベの圧迫によりおこる尿意に耐えていただいた奥様方の内助の功に今も頭が下がるばかりである。
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