臨床医からの質問に答える
薬物血中濃度測定の採血時期
勝山 善彦
1
,
大森 栄
1
1信州大学医学部附属病院薬剤部
pp.549-552
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102469
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薬物は投与されたのち,体内に吸収され分布,代謝,排泄の過程を経て身体の外に排出されていく.一定時間ごとに連続的に投与した場合は,吸収,排泄を繰り返しながら,体内の薬物血中濃度は上昇・低下し,その平衡状態に達すると,ある一定濃度域内を推移するようになる.このような状態を定常状態という.
薬物血中濃度を測定する場合,その目的は血中濃度が目的とする治療域内にあるかどうかの確認と,薬物投与量の設定が大部分である.薬物血中濃度は薬物の投与開始からの期間,投与後の経過時間により変化する値であり,投与から採血時間までの経過時間の違いにより濃度は一定ではなく,定常状態の採血でも投与後の採血時間が異なると,そのたびごとに結果が違ってくる.
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