ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応
先天異常胎児—その診断と管理
佐藤 孝道
1
,
香山 文美
1
Kodo Sato
1
,
Fumiyoshi Koyama
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.217-227
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
先天異常の胎児診断はますます多くの疾患でより容易に可能になりつつある。「出生前に診断し得た○○症候群の1例」というような症例報告も増え,今やすべての先天異常が胎児診断可能になったのではないかという錯覚にすら陥る。
しかし,中にはたまたま診断が当たったという症例も含まれているかもしれない。また,同じ診断法を用いても妊娠週数がすこし早ければ診断不可能なのかもしれない。「診断が当たっていた」ではなく「確実に当てることができる」という診断学本来のprospectiveな立場から胎児診断を論ずるには,未だ相当な慎重さを必要とする。本論文ではそういう視点に立って個々の先天異常について胎児診断の可能性と限界を検討し,あわせて可能な限り管理,治療という側面からも論じた。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.