ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応
胎児成熟度
原 量宏
1
,
柳原 敏宏
1
,
神保 利春
1
,
W. Schmidt
2
,
I. Cseh
2
Kazuhiro Hara
1
,
Toshihiro Yanagihara
1
,
Toshiharu Jimbo
1
1香川医科大学母子科学教室
2Univ. Frauenklinik Heidelberg
pp.229-234
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207150
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母体側合併疾患の管理に関してはかなりの部分が解決されつつある現在,周産期管理に残された大きな問題はPROMなどによる早産未熟児,および中毒症その他によるIUGRの取扱いであろう。早産およびIUGRの症例の取扱いにあたって,われわれが常に直面する問題は,胎児が子宮外生活に十分適応できるか,すなわち児が機能的にすでに成熟しているかどうかである。従来未熟児の管理において,児の機能的成熟より身体的発育(大さき,体重)が重視される傾向があったが,その理由は児の機能的成熟を事前に判定する方法が少なかったことによる。最近の生化学的,内分泌学的検査法の発達,およびME的手法の導入によりようやく胎児の機能的成熟に関する情報が得られるようになった。本稿では著者の在籍した東大産婦人科での妊娠週数の算定法,胎児の身体的発育の判定法について述べるとともに,胎児の機能的成熟に関しては,神経学的発達および肺の機能的成熟を中心に解説する。
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