明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 生殖免疫
妊婦感染症の問題点
岡村 州博
1
,
中岫 正明
1
,
山田 和徳
1
,
古川 和美
1
,
古橋 信晃
1
,
鈴木 雅洲
1
Kunihiro Okamura
1
1東北大学医学部産科婦人科学教室
pp.641-645
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207038
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妊婦の感染症は妊婦のみならず,当然のことながら胎児への影響についても論じられてきた。したがってTORCH症候群やその他のSex Transmitted Disease STDなどの個々の疾患が妊婦,胎児へ与える影響については報告が多い。しかし視点を転じて,個々の疾患に捕われず妊婦を感染宿主として考えた時にどのような生体防御反応が起き,胎児を守る機構が存在するかを全体的に眺める必要もある。胎児への感染防御過程は,①母体自身の防御,②胎盤・羊水等の胎児付属物による防御,③胎児自身の防御の3つが考えられる。今回,これらに関して免疫以前の防御機構すなわらnon-specific resistenceについて我々の考えている問題点も含めて概説したい。
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