原著
血清α2HS-glycoprotein値の妊娠経過に伴う変動
中岫 正明
1
,
岡村 州博
1
,
山田 和徳
1
,
古川 和美
1
,
鈴木 雅洲
1
Masaaki Nakakuki
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.457-459
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207005
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α2HS-glycoproteinは婦人科領域では聞きなれない血清蛋白であるが,この蛋白は急性反応型血清蛋白のひとつでありα2分画に属する。急性炎症においてはα1分画に属するα1—acid glycoprotein, α1—antitrypsinや,α2分画に属するhaptoglobin,α2macroglobulin, cerulo—plasmin等の急性相反応型血清蛋白は増加するのに反して,α2HS-glycoproteinは逆に低下を示す1)のでnegative acute phase reactantとも呼ばれている。
血清α2HS-glycoprotein値は種々の病態において変動するが,低下する疾患としては上記の如く急性炎症の他に,悪性腫瘍2),外傷3),低栄養状態4),骨paget病5)等が報告されている。
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