境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と泌尿器
婦人泌尿器疾患と最近の抗生物質の使い方
山本 皓一
1
Koichi Yamamoto
1
1東京警察病院産婦人科
pp.577-580
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207648
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筆者に与えられたテーマは表題の通りであるが,その趣旨からして,婦人泌尿器『疾患』は婦人の泌尿器『感染症』,つまり尿路感染症urinary tract infection (UTI)に限り,また『抗生物質』はピリドンカルボン酸系の合成抗菌剤も含めて広く抗菌剤全般をとり上げたい。
一般にUTIは日常臨床で頻繁に見られる疾患であるが,男性に比べて女性に遙かに多い。これは外尿道口が腟や肛門に近接しているという解剖学的な特徴に加えて,月経や帯下の処理や妊娠・分娩時の操作など,尿路感染の機会が男性に比してきわめて多いためである。したがってわれわれ産婦人科医は常に,UTIの治療法,特に目まぐるしく進歩する抗菌剤について充分に理解し,最適の薬剤の必要にして充分な量を使用するように努めなければならない。
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