症例
腟壁の潰瘍から大出血をきたしたベーチェット病の3例
大石 孝
1
,
冨浦 一行
1
,
高橋 秀身
1
,
鍵谷 昭文
1
,
品川 信良
1
,
亀田 忠孝
2
Takashi Oishi
1
,
Tadataka Kameda
2
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
2青森労災病院皮膚科
pp.739-743
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206887
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ベーチェット病は,今日では,全身的炎症性疾患として意義づけられている。その臨床症状は慢性遷延性に経過し,また反復して出没し,症状の再燃性と多彩性により特徴づけられている。また眼症状による失明率が高いことや,血管系症状を主とするもの(vasculo-Behçet型)や神経症状を主とするもの(neuro-Behçet型)については死亡例がみられることからも,本疾患は,近年注目されている。
ところでベーチェット病は,婦人科領域においては,急性の潰瘍を腟または外陰に生じ,このため,時には瀕死の大出血をきたすことがある。私たちはここに,その3経験例を紹介したい。本症は一歩処置が遅れれば,そのまま死の転帰をとることもあり得るので,婦人科医としても軽視できない疾患である。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.