症例
膀胱腟瘻をきたした腟内異物の1例
松本 光弘
1,3
,
西田 荘哉
1
,
大野 義雄
1
,
松浦 俊子
1
,
松本 尚
2
,
秋山 欣也
2
1回生病院産婦人科
2回生病院泌尿器科
3徳島大学医学部附属病院産婦人科
pp.1211-1213
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903781
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帯下の増加などの主訴にてまれに腟内異物に遭遇することがあるが,少女の場合は挿入事実の未自覚・羞恥心などによりそれを言及しない場合があり,治療までに回り道をすることがある.今回,われわれは診断が遅れた腟内異物の症例を経験したので報告する.症例は膀胱腟瘻,膀胱結石,腟結石を合併しており,瘻孔は異物の角の物理的刺激で,結石はウレアーゼ産生細菌により尿中の尿素が分解されて生じたアンモニアが尿をアルカリ化することにより生じたと考えられる.わが国での1990年からの腟内異物の報告例は自験例を除き17例で,挿入異物は種々あり,動機は幼児期では不明なものが多く,成人ではいたずら,マスターベーションなどが多い.うち腟瘻に至ったのは3例で,2例は経腟的に,1例は経腹的に瘻孔閉鎖術を行い予後良好とのことである.
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